こんばんは。PHTのへおです。
ベトナムの旧正月と言えば「バインチュン」が有名です。
日本でいうお餅のような存在で、旧正月の時期になると各家庭で食べられる
料理です。
写真左は北部、右は南部で、中身は一緒ですが、地方によって形が異なります。
中身は、もち米、緑豆、豚バラ(主に脂身)です。
下の写真のように各材料をラーゾンの葉で包んでから蒸します。
バインチュンの美味しさの明暗を分けるポイントは、もち米の粘り具合と
緑豆の口当たりの良さ、豚肉の脂肪分、そしてラーゾンの葉の香りの良さ
だそうです。
また、このバインチュンには昔話があります。
ベトナム最初の王朝「Van Lang」時代、王様は後継者を選ぼうと、
祖先に感謝する祭りで供える礼物を探すよう王子22人に命じました。
寵愛されなかった側室の子、郎僚(Lang Lieu)が悩んでいたある夜、
夢に天人が現れ、人間の生活に不可欠な米を料理にするよう教えてくれました。
喜んで起きた郎僚は、米の中に豚肉、緑豆を含み、地を象徴する四角い
「バインチュン」と、天を表す丸い「バインザイ」を作りました。
他の王子たちが集めた山海の珍味よりも王様はこれらの米料理に満足し、
王位を郎僚に譲ったそうです。
汗水たらして一所懸命に働いた1年の終わりには肉を存分に食べたいと、ベトナム
正月テトの料理となったのが豚肉入りの「バインチュン」で、「バインザイ」は
普段の軽食として親しまれています。
バインチュン、知れば知るほど奥が深いです。